レプソル・ホンダライダーが知性と威信を以てアメリカのコースで勝利した。ダニ・ペドロサは3位、アンドレア・ドビツィオーソは5位と、チームにとっても上出来の週末だった。
ラグナ・セカラウンドでは、トップの交代は一度きりだった。しかしその交代はアメリカ・グランプリの勝者の名前をも変えるものだった。レプソル・ホンダチームのオーストラリアン、ケーシー・ストーナーはラグナ・セカで2008年以来のリベンジを果たし、モーターサイクルのワールドチャンピオンシップ・カレンダーの中で最も短いコースで勝利を納めた。
シグナルが消えた時、ロレンソがとても速いスタートを切り、速いペースの1分21秒台でコンスタントに周回した。レース序盤はペドロサだけが同郷の彼のペースを追いかけることができ、3位にストーナー、4位にドビツィオーソが続いた。ストーナーは2人のスペイン人から少し離れて走行していたが、このデュオを捕まえることができなくても、彼はあきらめなかった。
レース前半を終えたとき、ロレンソとペドロサはストーナーの前方1秒未満の差でレースをリード、ドビツィオーソは単独で4位を走行していた。それからストーナーは差を詰め始め、32周のレース中盤、残り17周でロレンソとペドロサを捕まえた。オーストラリアンはペドロサを抜くのに待つことをせず、2周後コークスクリュー入口で、素晴らしいライディングでそれを成し遂げた。ペドロサとコンマ数秒差で前を行くロレンソも、彼の手中にあった。
ストーナーはそれから4周後のレース残り11周で、依然として怪我の後遺症に苦しむペドロサが、前週のドイツよりも身体的に厳しいアメリカのコースでの疲れに苦しみ、すでに1秒半ほどの差をつけられている間にロレンソをつかまえた。ダニは3位を確保し、昨年クラッシュのため完走できなかったこのサーキットで表彰台を得たことに、最終的には満足していた。
ドビツィオーソは4位をキープしながらも、結局は彼を5位のポジションに追いやった地元ライダー・スピースに追い上げられていた。ロレンソが依然レースをリードしていたが、ストーナーがラップごとに差を詰め、前日のクラッシュで身体的問題を抱えたスペイン人を残り7周でつかまえた。そしてストーナーは、ストレート中央、フィニッシュライン手前でついにロレンソをかわした。その後彼は限界ぎりぎりのペースでしかも無駄なく、フィニッシュラインを通過するまでリードを広げてロレンソに6秒近くもの差をつけた。
この結果によりストーナーはロレンソに20ポイント差と総合トップの座を固めた。ドビツィオーソも3位をキープしたが、チームメイトからの差は今や50ポイント、ペドロサはストーナーから83ポイント差の4位に浮上。このあとワールドチャンピオンシップは2週間の休息の後、8/14にチェコ・ブルノで再開される。
ダニ・ペドロサ 3位 at 9.467 sec.
けがから復帰した後で2度目の表彰台はハッピーだ。ラグナ・セカに来る前から、この結果は予測できた。なぜならここは自分にとって身体的にとてもタフなことが分かっていたから。この2レースで、ケーシー・ホルヘと同等のペースがキープできたことは素晴らしい。
今日はレース中盤から疲れがひどかった。左腕に充分力が入らなかったけど、このコースでは休む間がない。そのため順位を落とすしかなかった。この週末マシンのセットアップがとても難しくてグリップが足りなかったけど、チームはよく頑張ってくれた。
これから何日か休日がある。数日の間体を休めてリラックスし、ブルノに万全で入れるようにトレーニングを再開できるのでありがたい。
アンドレア・ドビツィオーソ 5位 at 20.885 sec.
ここは短くてハードなブレーキングが必要な骨の折れるコースなので、とてもタフなレースになると思った。良いスタートで4位に上がることが出来、序盤はケーシーやダニ、ロレンソについていくためハードにプッシュした。T3、T11などいくつかのコーナーでかなり遅れたので、リカバーするために他のコーナーでプッシュした。
多くのエネルギーを費やして、32ラップをコンスタントに走ることができなかった。今日は良い結果を出すために争えるペースで走れていた - 実際、ファステストラップからコンマ2秒差だった – のに、コンスタントでなかった。スピースとのバトルに敗れたけど、バトルで負けたのは今年初めてだ。
良かった点は、速く走れたこと。今は集中して作業を続けなければならない。チャンピオンシップ3位につけているので、戦い続けたい。3週間の休みでバッテリーをチャージして、ブルノに臨む。ケーシーとダニにおめでとうを言いたい。
ケーシー・ストーナー 1位 - 43:52.145
週末を通して苦労したので、レースでホルヘやダニと走れるかどうか少し自信がなかった。でも、今朝のウォームアップで、少し好材料を見つけた。レース前はリラックスできて、自信が出てきて落ち着いた。徐々にタイヤが温まるように少しゆっくりとスタートを切ったけど、タンクは燃料でいっぱいでマシンのフィーリングは良くなかった。
だから我慢して、じっくりとホルヘとダニについていき、差をコントロールして彼らが離れすぎないようにした。もっとペースを上げられると感じたが、時期を待って様子をうかがうことにした。ダニが苦しんでホルヘから遅れ始めたので、このポイントでアタックした。
ホルヘを捕まえるや否や、彼がミスをしないか観察しながらプレッシャーをかけ、それから動くタイミングを選んで、ゆっくりと差をつけてレースを自分のものにすることができた。難しい週末から素晴らしい勝利を得られてファンタスティックだ。チームの全員にとても感謝している。