オーストラリアのコースはシーズンの中で2番目に速いコースで、シーズンで最もすばらしいシーンがいくつか起こる。オーストラリアGPが行われるフィリップアイランドは、メルボルンから140キロのビクトリア州に位置し、ニューサウスウェールズと他6州の初代総督、アーサー・フィリップから名を取った。
この島は本島からおよそ600mほどで、サンレモの町と橋で繋がっている。1920年から1930年代には、フィリップアイランドは公道で二輪レースを行っていた。現在のコースは1956年に完成したが、2回閉鎖され、1966年と1989年に再開した。フィリップアイランドで初の2輪世界選手権が開催されたのは1989年のことだった。今年は、初開催の1989年から29回目になる。オーストラリアGP初めの2回は、フィリップアイランドで行われ、その後6回はイースタン・クリークサーキットで行われ、1997年からはフィリップアイランドで再開された。1993年から1995年はシーズンの初戦だったが、2000年からはずっと最後の3戦のうちの一つで開催されている。オーストラリアGPの他に、スーパーバイク、V8スーパーカー(主にオーストラリア、ニュージーランドで開催されるレース)も開催されている。
ダニ・ペドロサはこのコースでは250ccで2回優勝している。マルク・マルケスはモト2のチャンピオンを確定させている。4.4kmの全長、レッドブル・リンクの次に少ない12のコーナーで構成されていて、平均速度はオーストラリアGPに次ぐ176.5kmになる。なおオーストラリアGPとアルゼンチンGPの2GPだけは南半球で行われ、この島は南緯38度、南極から5,700kmの位置にある。
オーストラリアの最後に生き残ったペンギンのコロニーがフィリップアイランドに辿り着く。それからオーストラリアのアザラシの大きなコロニーのホームで、コアラと多くの野生のカンガルーの保護センターがある。またフィリップアイランドの最も特徴的なのはカニンガム湾の崖で、サーキットからも見ることができるとても大きな玄武岩層である。常住人口は9,500人ほどだが、毎年350万人が訪れ、オーストラリアの最も有名な旅行先の一つになっている。
このような小さな飛び地だが、とても少ないがホテルがあり、特に夏(南半球に位置しているので、今年は12月21から3月21日まで)に多いが、多くの団体が季節ごとに家を借りている。
南風がタスマニアから吹き、ライディングスタイルとバイクのセットアップに影響を及ぼす。かなりハイスピードコーナーのコースになっているのは、動きを変える時に風がバイクを重くさせるからである。