ペドロサは手術後の回復を見せ、MOTOGPクラスで50回目の表彰台を手にした。ストーナーは3位、ドビツィオーソは4位と、レプソル・ホンダチームにとって良い週末を終えた。
ポルトガルでの世界選手権はMOTOGPクラスでエキサイティングなレースが行われ、過去2つのレースで身体的問題を抱えていたペドロサが重要な1勝を上げてリベンジを果たした。手術後初のレースでどの程度腕が反応するか不安があったが、レプソルライダーは彼が回復したことと、今やリーダーと4ポイント差の2位につけ、チャンピオンシップを争う準備ができていることを見せた。
スタート時ペドロサはマルコ・シモンセリを追い抜き、ポールポジションのホルヘ・ロレンソの背後に迫った。彼らの後ろでは、ホンダのイタリア人がコントロールを失ってクラッシュした際にケーシー・ストーナーが転倒しそうになり、決定的な数メーターを失った。4位はバレンティーノ・ロッシ、そしてレプソル・ホンダの3人目、アンドレア・ドビツィオーソがすぐそばにいた。
序盤から飛ばしたダニ・ペドロサとホルヘ・ロレンソは、交互にファステストラップを記録するエキサイティングなレースを展開し、ヤマハのライダーがペドロサとの差を広げようと手を尽くしたものの成功はしなかった。
非常に近い位置でレプソルライダーは、左腕の感触を確かめながら最後のアタックに備えた。
残り5周、ダニ・ペドロサはストレート・エンドでロレンソを抜いた。コンマ数秒のマージンを得るのに少しのペース変更で十分で、ラップを重ねた後、レプソル・ホンダチームライダーのアドバンテージは2秒以上になっていた。ついにダニ・ペドロサは今シーズン初の、チームにとっても個人的にも重要な勝利を手にした。
2人のライダーが優勝争いをしていた背後で、いくつかの問題があってトップを追うため完全なフォームでのライディングができないでいるレプソルライダー、ケーシー・ストーナーが単独3位を走行していた。結局レプソル・ホンダチームのオーストラリアンは3位を獲得し、ヘレスでのリタイヤのあと総合順位を回復させる、貴重な数ポイントを得ることができた。
レプソル・ホンダチーム3人目のライダー、イタリア人のアンドレア・ドビツィオーソも、同郷のバレンティーノ・ロッシとエキサイティングな戦いをした。彼らは、最終ラップでドビツィオーソがライバルを抜き、価値ある4位を獲得するまでのあいだ、レース全体を通して争った。
このレースを終え、3人のレプソル・ホンダチームのライダーたちは総合順位の上位を固めた。ダニ・ペドロサはポイントリーダーのホルヘ・ロレンソと4ポイント差の2位。ケーシー・ストーナーは、ロレンソと24ポイント差、ペドロサとは20ポイント差の3位。6位のアンドレア・ドビツィオーソは5位のヘイデンとタイで、ロレンソとは35ポイント差。
翌月曜日、3人のレプソル・ホンダチームのライダーたちは、次のフランスラウンドを2週間後に控え、エストリルでテスト・セッションを行う。
ダニ・ペドロサ 1st - 45:51.483
今日の勝利はとてもうれしい。でも勝ったこと以上に自分のコンディションと、ついに手術が成功したと思えることに満足している。残り15周ほどで筋肉のけいれんがあったので時々腕を上げるようにした。ホルヘの後ろを走りながら脱力感とともにくる痺れを待ちかまえたが、それは来なかった。この問題を抱えて6ヶ月ほど経つし、手術がうまくいったことが分かって本当に安心した。
レースについては、ベストを尽くして走ったが、ホルヘはここではいつも驚くほどスムーズで速いから、彼についていくようにした。そして最終的に行けると感じたので、動きをかけ、成功した。ここで勝ててとてもハッピーだ。このコースで初めての勝利だし、ドクター、物理療法士、トレーナーみんなに感謝している。彼らはよくやってくれたし、ついに勝てたから。
アンドレア・ドビツィオーソ 4th at 16.530 sec
困難な週末だったけど、よいレースをして最後にベストラップを出せた。それにバレンティーノを抜くこともできた。僕はレース中ずっと限界で走ったし、バレンティーノは2つか3つのポイントで速く、彼を抜くのは困難だった。彼についていくため激しくプッシュし、最後の最後、そこで抜くことは難しいとわかっていたけれど、ターン10で彼を抜こうとした。その長いコーナーの最後で僕は内側から彼を抜こうとしたけどバレがドアを閉めたので、彼よりも速くコーナーを抜け、その後のストレートで彼を抜くことができた。この結果に満足しているが、まだトップからはるか遠い。ダニ、ケーシー、ロレンソと戦いたいなら、初日から戦闘力がある必要がある。明日テストがあることはいいことだ。そこでセットアップと電子制御の作業ができる。
ケーシー・ストーナー 3rd at 7.658 sec
良いスタートをしたけど、ダニ・ペドロサが横切ったのでブレーキをかけなければならず、後退してしまった。そのあと第1コーナーでマルコと3位争いをし、彼に妨害されたので面白くなかった。その後彼は第4コーナーでクラッシュし、ダニとホルヘに離されてしまった。序盤ではリアタイヤに信頼性がなく、特に左側のグリップが良くなかったので、何度か転倒しそうになり、若干ペースを落とした。レース中何回か背中が完全に固まった感じがしてしばらく動くことができず、何とかしようともがいたが息もできなかった。ガレージに戻らなければならないと思ったけど、幸運にも半周ほどで楽になってきたので、フィニッシュすることができた。3位をキープできてよかった。