以前にオイルプレッシャーゲージ点滅のため、試乗イベントに参加できなかったBMW i3、今年の初めに一泊二日のモニターの案内が届きましたので、申し込んでおりました。
一応抽選とのことでしたが、まぁそんなに応募多数ということもないでしょうし、基本売りたければ興味を示した客候補を放置(以前は放置されましたが・・)することもないでしょうから、直ぐに連絡があり、ようやく体験することができました。
その時点でレンタル可能でお願いした日程は約2ヶ月先でしたが、どうも3月4月とばたばたしていてなかなか落ち着いて投稿もできず、まぁサボりもあって今になってしまいました。
そうこうしているうち、現在はBMW i3 ライフシミュレーションと称して充電設備を用意してくれ、2ヶ月間貸し出してくれるキャンペーンが発表されました。期間終了時にそのまま購入するか、貸出車がエクステンダなしなのでエクステンダありの新車を購入するか、気に入らなければそのまま返却するか選択できるそうです。
流石に近々に真剣に購入する意思がないと、この企画に応募する気にはなりませんが、どなたかいかがでしょうか?
それでは感想を。
今回借りたモデルはエクステンダーという発電用エンジンをリアに搭載したタイプで、バッテリー蓄電容量3%まで電気を使用するとエンジンをかけて発電しながら走ることができるものでした。
やはりこの機能がないと走行途中に充電スポットを探して充電しないと走行不能になる不安がありますので、EVに乗るならこれは是非ほしい機能です。
このラゲージルームの下にモータと発電用エンジンが設置されています。
先ず最初にレースに使うなとかまぁその他いろいろ普通に借りる分には問題とならないことに対する誓約書にサインして、待望の車に案内されました。余談ですが、BMWはしっかりと保険など用意されていて安心できますが、ガレ伊太が用意してくれたイプやデルタの試乗車は、保険はなく、事故を起こしたらすべて試乗者が弁済するとの誓約書にサインさせられました。
車に乗り込むと流石にBMWというべきかカチッとした質感は好感が持てます。が、しかし、エコに対する取り組みということでダッシュパネルやドアの内張りなど、正に再生素材を使用しているのですが、いかにも再生素材といったものがそのまま嵌め込まれていてとても500万円する車とは思えないような質素?な感じがいただけません。
操作系の詳細は省略しますが、まぁプリウスなんかと同じ感じです。電気仕掛けなので、スイッチやボタンによるオペレーションが味気ないです。
実際に転がすと、既にあちこちで書かれていることですが、ブレーキペダルを踏むことが殆どありません。アクセルを放すと回生ブレーキにより発電チャージしながらブレーキがかかります。この時トラックの排気ブレーキと同じでしっかりブレーキランプが点灯しています。ですので、MTでクラッチを切ったり、ニュートラルにして動力を切って惰性で走ることはできず、絶えず動力はプラスかマイナスの何れかということになります。
加速についてはなるほどトルクのピークという考え方がないというとおり、踏み込んだ時点の速度に関係なく踏めばすばらしい加速感が味わえます。この軽快感というか、アクセルペダルオンオフに対するダイレクトな感覚は、そう、こんなボディサイズながら、さながらカートのようです。
乗り味は、しっかりしていてもなかなか軽快で慣れれば非常に乗りやすい車だと思います。ただ、小さく見えても横幅に関してはデルタと大差なく、取り回しは見た目ほど良くはありませんね。
道具としてその辺にお買い物などに使用した感じでは、全長が短めですから荷物はあまり積めませんし、4名乗車もRX8のように観音開きのドアで、乗り降りはしやすいものの、前のドアを開けてからでないと後ろのドアが開かないため、現実的には前席乗車の人間のアシストが必要ですから、シート操作がある2ドアと大差ありません。
おまけに駐車場で隣の車との間隔が狭いと、降りてもドアを閉めないと車から離れることができないので、かえって大変です。うまく説明できないのですが、この場合、後部座席からの乗降は普通の2ドアの方がよぽど楽です。
折角の1泊2日なので、その辺うろうろ、渋滞にもはまり、色々な駐車場へ駐車して、ちょっとした山道?にも行きました。流石に六甲山は遠いので、阪奈道路を大阪から奈良方面へ走ってみました。結論は異様に細いタイヤでも特にコーナーでの不安もなく、なかなかの速度で駆け抜けることができました。ただ流石にこの区間のバッテリーの減りは早かったです。
翌日雨の中、日産EVリーフとしばらく一緒でした。
この後、名神で高速走行も体験しましたが、これまた気持ち良い加速を味わいながら高速域でも何の不安もなく駆け抜けることができました。で、この直後高速を降りたところ蓄電容量が3%となり、エンジンが回り始めました。エンジンが回り始めるまでの走行距離は100kmほど。阪奈道路で余分に電気を消費したといっても大した距離ではありませんし、エアコンの稼働は乗車中の半分以下に抑えていましたが、航続距離はカタログスペックの半分程度なのはいただけません。
この発電用エンジンは、647cc 2気筒のバイク用のものを流用しているそうで、無鉛プレミアムガソリン仕様です。タンクは9リットル、これでおおよそ100km程度発電走行できるそうですが、燃費は100km/9lでリッター11.1km、当然エンジンを回せば排ガスも出ますし、エコを謳うEV、車格から考えてそれほど環境にやさしいとはいえないですね。
おまけに、この発電用エンジン、結構うるさいです。また、停車するとエンジンも停止するのですが、このとき振動も結構あります。さりげないエンジンのストップ、スタートについては流石トヨタといったところでしょうか・・・
さて、モニター終了時に一応見積もりなどを頂戴し、維持費、リセールバリューなどについてもお話を伺いましたが、やはりバッテリー保証の10万kmか、8年を過ぎてから性能低下による交換が必要となれば買い替えしかないそうで、この時点でリセールバリューはゼロ、いや実際にはマイナスかもしれませんね。
走行距離に対して必要な電力量を金額に換算して、通常の内燃機関の車のガス代より安くても購入時の価格、リセールバリューとランニングコストすべて計算した場合、どのような乗り方、利用で有効なのか非常に難しい判断を迫られると思います。
やはりEVはまだまだ課題がありますね。