「中途半端なクルマより、極端なクルマを選んだほうがリクエストが入りやすいと思います。たとえば、愛知にBMWのM4を24時間35000円で貸している人がいます。その人は僕がシェアを始めるときにかなり参考になりましたね。
けっこうなシェア料金設定ですが、もう14回もシェアされてるんです。単純計算で、それだけで49万円の収入。なので、高いクルマを高い料金でシェアするのもありなんじゃないかと思ったんです。安ければいいというわけじゃない。
同じ理由で、古いクルマは、実はシェア料金を高く設定できることにも気づきました。たとえば、Anycaに登録されている1980年代のクルマの中には10000円をこえるクルマも何台かあります。購入費は決して高くないケースでも、その希少性からシェア料金を高く設定してもリクエストが一定数入ってるんですよ」
田中氏によると、2000年代前半の古いクルマを安くシェアするより、極端に古いクルマをシェアに出したほうが好反応になる確率は高いだろうという。
「古いクルマに関しては、まずディーラーに年間維持費を聞いてみて、そこから計算してシェア金額を設定すればよいのではないでしょうか。改造のベースになる古いクルマならば個人売買のニーズも高い。それに古いクルマはターゲットが明確。そのほうが、長期リクエストも見込め、結果的にコスト回収も早くなるはずです」
たしかにライバル車が多いと、シェア料金の終わりなき価格競争に陥るケースも少なくない。一方、自分のクルマをシェアしたい人にだけにシェアするターゲットを絞った戦略は、そうした競争を避けることができる。