今シーズンの
ピレリスーパー耐久シリーズの開幕戦が、9/5(土)・6(日)に富士スピードウェイにて開催されました。
コロナ禍の影響でスケジュールが組み変えられ、なんと24時間レースというビッグイベントでの開幕です!
スーパー耐久は車両の性能によって全8クラスに分かれますが、
SS/ YZ Racing with Studie が参戦する
ST-Zクラスは、各メーカーのバラエティ豊かなGT4車両によって争われます。
他メーカーは2シーターのスポーツカーをベースとしていますが、BMWは4座クーペであるM4をベースとしているのが特徴です。
20号車のレギュラードライバーは、ブランパンGTアジアを制した木下 隆之選手・砂子 塾長選手の鉄壁コンビに、"最強のアマチュアドライバー"鈴木選手を加えた3名ですが、本戦は24時間レースということもあってゲストドライバーが加わります。
何と、ルマンを制した"世界の"荒 聖治選手、フォーミュラニッポンを制したJP.オリベイラ選手という超豪華な布陣です!
(ちなみに、還暦を迎えたことで赤いレーシングスーツを贈られた木下 隆之選手は、スーパー耐久最多勝男でもあります)
予選は、レギュレーションによって2名のドライバーの合算タイムで競われます。
鈴木選手と荒選手による合算は堂々のクラストップとなり、見事に
ポールポジションを獲得します!
翌日の決勝は、天候に大きく翻弄される展開になります。
スタートドライバーを務めるオリベイラ選手はポールポジションから快走し、後続を約30秒も突き放してルーティンのPITストップを迎えます。
2ndドライバーを務める鈴木選手がタイヤ交換・燃料補給を終えてコースに復帰した直後、ついに雨が降り始めます。
雨脚は徐々に強まり、ついにセーフティーカーが導入されます。
他チームはそのスローペース走行中にドライバー交代を行ったことによって逆転され、結果的に3位へとポジションを落としてしまいます。
雨は更に激しさを増して70km/hでもハイドロプレーニングが発生する状況となり、レースは赤旗中断とされます。
夜間のサーキット場に全てのマシンが停車して天候回復を待つ、という珍しい光景が見られました。
レースが再開され、交代した3rdドライバーの砂子選手は時折導入されるセーフティーカーに翻弄されながらも、トップから30秒差まで追い上げます。
続く4番手 木下選手の力走と、5番手 荒選手のオーバーテイクにより、
ついにクラストップに返り咲きます!
しかしその後も降雨によってセーフティーカーが不運なタイミングで幾度も導入され、アドバンテージを失います。
6番手 鈴木選手、7番手 オリベイラ選手、8番手 砂子選手と力走を重ねるも、9番手 木下選手に交代した時はトップから2周遅れの2位という状況です。
またも雨脚が強まって各車がウエットタイヤに交換する中、木下選手はピットインせずに
ドライタイヤのままで暴れるマシンを駆ってトップと同一周回まで挽回し、最終ドライバーの荒選手にバトンを渡します!
荒選手は予選並みのタイムを連発してトップに1分差まで迫るものの、タイヤの消耗が激しく最後まで走り切ることをチームは断念します。
そして最後のピットインを行い、
クラス2位でレースを終えました。
チームにとって初めての24時間レースは、運と天候に大きく左右されました。
(優勝チームは、ディフェンディングチャンピオンとしての経験と実力によって、運をたぐり寄せたとも言えるかもしれません。)
「勝利も狙えた」という悔しさが、チームの全員の
コメントにも表れています。
ですがアジアで勝利を重ねてきたチームの強さと速さは、本戦でポールポジションを獲得したことからも明らかだと思います。
次戦以降も期待できそうです!
G.Sekido