少々前の話題ですが・・。
先月下旬にオバマ大統領が来日された際に、大統領専用リムジンで移動したことがニュースになりました。
ちなみに、「ザ・ビースト」とか「キャデラック・ワン」とか呼ばれるのは通称で、
正式名称は「2009年モデル キャデラック・プレジデンシャル リムジン」というようです。
●燃料タンク:装甲板と、直撃されても爆発を防ぐ特殊な発泡体で覆われている
●トランク:酸素供給システムおよび消火システムを装備
●後席:大統領を含む最大4人分の座席があり、昇降するガラス板で仕切られている
オバマ大統領の座席には最新鋭の衛星電話があり、副大統領やペンタゴン (国防総省)に直通で通じる
●ドア:厚さ20cmの装甲板仕様で、ボーイング757の客室扉ほどの重さがある
●防衛装備:暗視カメラと連射式ショットガン、さらに催涙ガス砲も装備している
大統領への緊急輸血に備えて自己血液の入ったボトルも用意している
●シャシー:車体下部は爆弾や手榴弾の爆発にも耐える強化鋼鉄板を張っている
●運転手用窓:破裂弾や44マグナム弾にも耐えられる。唯一、開くことが出来る窓(8cmだけ開く)
●車体:厚さ13cm以上の装甲板で出来ている
二枚重ねの鋼鉄、アルミニウム、チタン、 セラミックを組み合わせている
●タイヤ:スティール縁に防弾、防パンク補強したランフラットタイヤ
タイヤが爆破されたとしても、その場から脱出できる
※スペック
・価格:100万ポンド(1億4千万円)以上
・全長:5.5メートル ・全高:1.8メートル ・重量:8トン
・エンジン:V8 6.5リットル・ディーゼル
・最高速度:60マイル/時(96km/h) ・加速:15秒でトップスピード
・燃費:8マイル/ガロン (2.8km/L)
・座席:最大7席。最後部座席は大統領+1人が座る2つの座席でリクライニング可。
ガラスの防弾性能の解説動画も公開されています。
他にも爆発力拡散機能や核ボタン等の軍事技術も搭載されています。
まさに、世界一の防御装備が施されています。
(車両を空輸したことや、車列が40台以上!にもなることも驚きましたが。)
ただし、そんな最強のリムジンでも、弱点はあるようで・・・。
・・・「亀の子」状態になると動けません・・。
アイルランドのダブリンにある米国大使館の出入口での出来事です。
普通の車なら問題にならないなだらかな起伏が、ホイールベースが非常に長いため床下にひっかかってしまい、車重は8トン!と非常に大きいこともあり動かせなくなってしまいました。
(ただ、大統領専用車は必ず予備の車も同行していますので、大統領夫妻はそちらに乗り替えて事なきを得た?ようです。)
そして・・・。
実はBMWは、装甲車両・防弾車両も得意としているメーカーです。
本国サイトには、【 BMW Security Vehicles 】 というページがあり、
・BMW 7 Series High Security
・BMW X5 Security Plus
・BMW X5 Security
という3車種がカタログモデル?として載っている程、力を入れています。
歴代の7シリーズを始めとする車種に装甲車両の設定があり、その歴史は30年以上にもなるようです。
かつてデビッド・ベッカムさんも、X5の装甲車を所有していました。
(ビクトリア夫人に対する誘拐未遂事件が起きたのを受けて、約4800万円を投じて特注したそうです)
ですが、ベッカムさんの使用人がこの車を借りている間に、盗難に遭ってしまいました!
GPSの探知機が作動していれば、盗難後の追跡も可能でしたが、その使用人がスイッチを入れ忘れていたたそうです。
(その後、この車は流れ流れてマケドニアの大臣の公用車として活躍していた程ですので、基本性能は確かです。)
米国大統領専用リムジンにしても、
メーカー特製装甲車にしても、
その性能を十二分に発揮できるかは使う人次第、というところでしょうか。
ですが、BMWがさらにすごいところは・・・。
驚くことに、BMWは警護プロフェッショナル向けのトレーニングも行っています。
(集中トレーニングと熟練トレーニングの2コースがあるようです。)
まるで映画のワンシーンの様ですが、実際のトレーニングの映像のようです。
昨年のブログ【X1の教習車を導入します!】でもご紹介しましたが、BMWは教習所用の車両にも力を入れてます。
サーキット等を使用したドライバー・トレーニングは日本で25年・ドイツで37年もの歴史があります。
免許取得者から警備のプロフェッショナルまで、車の性能を十二分に体感・発揮できるように、メーカーとしての努力を惜しみません。
BMWは、自動車やハードウェアの開発で道を切り開くのはもちろん、ドライバーやソフトウェアの点でも、世界の先端を走り続けていると思います! G.Sekido