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「アレッサンドロ・ザナルディがBMWブランド大使に任命されました」
というニュースが、先日BMW本社から出されました。

(個人的には、とても感慨深いニュースでした。)

今後は世界の様々なイベントに出席したり、BMWグループ内のイベントにも参加するとのことです。



でも、ザナルディってどんな人だっけ?という方も多いかと思いますので、
この方の波乱に満ちた経歴をご紹介したいと思います。




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アレッサンドロ・ザナルディ(アレックス・ザナルディ)は1966年生まれ・イタリア出身のレーシングドライバーです。

イタリアF3、国際F3000を経て、1993年にF1へステップアップしました。

F1ではジョーダン・ミナルディ・ロータスを1年毎に渡り歩くものの、6位入賞が1回のみと目立った成績は残せませんでした。

当時これらのチームは中位~下位を低迷しており、マシンは速さも信頼性も乏しいのが実情でした。

マシンの限界をさらに引き出そうとする様なアグレッシブな走りはクラッシュと紙一重で、結果として「壊し屋」の異名も持っていました。




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そこで1996年にアメリカに渡りCARTに挑戦すると、才能が開花しました。

参戦初年度にポールポジション6回・優勝3回を記録し、ランキング3位を獲得しました。


特に最終戦ラグナセカのファイナル・ラップで見せた、前代未聞のオーバーテイクは注目を浴びました。




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このコースの名物でもある高低差15mの坂を下るS字シケイン「コークスクリュー」を、直線的にショートカットするという荒技です。

( "THE PASS" という名前が付けられるほど印象的な技でしたが、危険すぎるという理由で後にこのオーバーテイクは禁止になりました)

その後1997年には5勝、1998年には7勝を挙げ、圧倒的な強さで2年連続チャンピオンを獲得しました。

アクシデントで大きく出遅れても、特殊なピット戦略を使うこともなく、コース上で挽回しあっさり優勝してしまう強さは専門誌をして「意味不明」と評されたそうです。




F1ZANARDI-thumb-330x220-42065.png

その栄冠を引っさげ、1999年にF1にカムバックします。

しかも今度はウイリアムズという名門チームです。

ですが同僚のラルフ・シューマッハが11度入賞したのと対照的に、1年間1度も入賞することができず契約を解除されてしまいます。

急激にハイテク化が進んだF1に馴染めなかった、という側面もあるようです。

※ちなみにこの年のウイリアムズはルノーのカスタマー・エンジン(参戦名:スーパーテック)を使用していました。その翌年からBMWエンジンに替え、ラルフ&バトン(2000年)、モントーヤ(2001~2004年)と共に表彰台の常連になります。



1年間の休養の後、2001年に34歳でCARTに復帰しますが、悲劇が訪れます。




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久々の優勝が目前に迫ったレースで、ピットアウトの際にバランスを崩してスピンし、後続の車に側面から衝突されます。

動画の1分40秒程から事故のシーンが映っていますが、衝撃的な映像を含みますのでご注意願います)

2台のマシンは大破し、ザナルディは全身の血液の9割を失う程の大怪我を負い、生死の境をさまよいます。

幸い一命は取り留めるものの、両足の損傷は激しく膝上から切断されました..。




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それでもレースに対する情熱は捨てきれませんでした。

両足に義足を装着して、フォーミュラカーでの走行を試みます。

なんと事故から20ヵ月後には、特別仕様のマシンに乗り込み事故のあったラウジッツリンクでレースの残り13周を走り、3年越しのレースの完走を果たします。




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2005年からは、WTCCにBMWからフル参戦を果たし、8月には早くも初優勝を果たします。

(2006年には、BMWザウバー F1 を試運転する機会も与えられます。)

WTCCでは合計4勝を挙げる活躍の後、2009年限りで引退します。
この時42歳です。


ここまででも十二分に波乱万丈な人生ですが、ザナルディの情熱は衰えません。




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数年前から取り組んでいたハンドサイクル競技を本格的に始め、パラリンピックでのメダル獲得を目指します。

 

いくつかの国際的なマラソンで優勝するなど、ここでも頭角を現します。




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そして、2012年ロンドンパラリンピックにイタリア代表として選ばれると、圧倒的な速さを発揮します。

16kmのH4ハンドサイクル・タイムトライアルで金メダル
ハンドサイクル・ロードレースで金メダル
ハンドサイクル・チームリレーで銀メダルと、45歳にして3つのメダルを獲得しました

(ちなみにこの競技が行われたブランズ・ハッチは、ザナルディがF3000時代にコースレコードを記録したサーキットでもあります)



金メダリストになっても、ザナルディのモータースポーツに対する情熱は、消え去ることはありません。




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同年秋、BMWのモータースポーツ部門の40周年記念行事の一環として、ザナルディにBMW M3 DTMをドライブする機会が与えられました。(そのM3は、金メダル獲得を祝い金色に塗られ、ハンドサイクルとメダルが描かれています。)

ザナルディは世界最長サーキットであるニュルブルクリンクを32周し、見事な走りを披露しました。


そしてこの「お祝い」によって、モータースポーツへの情熱は再び激しくなりました




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47歳のザナルディは、今シーズンの「ブランパン・スプリント・シリーズ」にフル参戦します。

BMW・Z4 GT3を駆って、イタリアのロアル・モータースポーツからの出場です。

通常は2名ドライバー制でタイヤ交換等の際に交代しますが、ザナルディ車は特別仕様であるため1人で全レース距離を走るという、体力的にも厳しいチャレンジです。

開幕戦は13位で完走先日行われた第2戦では5位入賞を果たしました。

ぜひまた表彰台に上ってほしいですね・・!



BMWはそんな前人未到の挑戦を続けるザナルディを応援し、
ザナルディはBMWブランド大使としてイベント等に参加し、
果敢なチャレンジを内外にアピールしていくと思われます。


 

 P90149943-thumb-471x314-42128.jpg




トップアスリートが持つ最大の資質は、その肉体や技能では無く、
あきらめること無く挑戦し続ける心にこそあるのかもしれませんね。

アレックス・ザナルディの今後の活躍を期待しています!  G.Sekido
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