先日、BMW Japanから、このような輝かしい発表がありました。
■2017 年の BMW グループの販売台数は9 年連続で増加し、過去最高となる77,954 台に。
■BMW ブランド(乗用車)は 3 年連続で伸長し、過去最高となる 52,527 台に。
■MINIブランドは8年連続で伸長し、2016年に引き続き、2017年も過去最高を更新し 25,427 台に。
■MINI は車名別販売台数でトップに。さらに車名別販売台数トップ 10 内に、BMW グループの 6 モデルがランクイン。
■BMW Motorrad(二輪車)は、過去最高となる 5,230 台に。
という概要の、昨年は「過去最高」が目白押しの素晴らしい業績だった、という発表です。
そこで昨年に引き続き、この業績を他ブランドと比べてグラフにしてみました。
日本におけるメジャーな輸入車ブランドの2000年以降の年間登録台数のグラフです。
「BMW+MINI」は9年連続で増加し、5年連続で最高記録を更新しています。
BMWは、リーマンショック(2008年)が収まってからはほぼ毎年増え続け、2年連続で過去最高を更新しました。
MINIも2010年以降は順調に増え、7年連続で過去最高を更新しました。
競合他社の動向としては、Benzは2008年以降は順調に伸びてきたものの昨年は鈍化しました。
2015年にディーゼル不正問題のあったVWは下げ止まりましたが、Audiは3年連続で減少しました。
ちなみにVWとAudiは本国メーカーは同じグループですが、インポーターは別会社です。また、日本でのディーラーネットワーク(運営会社や店舗)も完全に分離しています。
それに対して「BMWとMINI」はインポーターが同一(BMW Japan)で、ディーラーネットワークの共有も多く、より密接に結びついています。
なので、この「インポーター毎の集計」には意義があると思います。
同様に、「Benz と smart」も、インポーターが同じ(メルセデス・ベンツ日本)で、同じディーラーネットワークで売られています。
smartは価格(201万円~)も排気量(900cc)もMINIとはバッティングしませんが、「Benz + smart」も一応グラフに加えてみました。
(日本自動車輸入組合:JAIAのHPには2005年以降のデータしか載っていなかったので、smartのグラフはそれ以前はありません)
それによると「Benz + smart」との差を広げた「BMW + MINI」が、3年連続でNO.1インポーターであることが分ります。
※ 尚、BMW Japanの発表では「2017年のBMWグループの販売台数は、9年連続で過去最高を記録し、77,954台に。」、「BMW グループの乗用車販売台数が外国メーカー輸入車において 9 年連続でトップとなる 77,954 台となったことを発表した。」とありますが、JAIAのデータを見る限り、この文章は正しくないと思われます。
恐らく、「9年連続で増加し、昨年は最高記録を更新した」、「3年連続で、9回目のトップとなった」という内容が、誤った記述になったのではないでしょうか...?
さらに、別のグラフも作成してみました。
日本における輸入車全体の台数を100%とした場合の割合です。
(ただし、日本メーカーの「逆輸入車」は除きます)
すなわち「輸入車販売のマーケットシェア」です。
リーマンショック等の景気動向を除外した、「輸入車の中での人気度」が表れています。
「BMW+MINI」とBMWは、2015・16・17年とシェアを増加させました。
(過去最高だった2007年にはわずかに及びませんが、ほぼ同等になりました)
MINIは2002年のスタート以来、比較的順調にシェアを伸ばしています。
他社では、ここ3年のVWの苦戦と、ここ2年のBenzの上げ止まりが目立ちます。
日本自動車輸入組合:JAIAのHPには、【外国メーカー車モデル別トップ20の推移:暦年】という資料が載っており、車名別の販売台数のランキング(上位20位)が公開されています。
今回のプレスリリースの
■MINI は車名別販売台数でトップに。さらに車名別販売台数トップ 10 内に、BMW グループの 6 モデルがランクイン。
という快挙が分かりやすいように、その資料のBMWとMINIに色付けをしてみました。
調査開始以来28年連続でゴルフが1位でしたが、一昨年にMINIが初のNO.1になり、さらに昨年も栄冠に輝きました。
VWのディーゼル不正問題の影響もあると思われますが、MINIがCLUBMANやCROSSOVERなど積極的にラインナップを増やし、ディーゼルとPHEVという動力源を追加した成果でもあると思います。
3シリーズは2009年までは2位が定位置でしたが、BMWがX1・4シリーズ・2シリーズとバリエーションを広げるにつれ、立ち位置が変化してきました。
価値観の多様化に伴い、戦いが個人プレーからチームプレーに変化した、ともいえるかもしれません。
モデルラインナップや動力源の積極的な展開によって、BMW・MINI共に過去最高の販売を達成しました!
今年も魅力的な車が続々と登場する予定です。
BMWの今後の展開にご期待下さい! G.Sekido