昨年12月に「改正道路交通法」が施行され、自転車の交通ルールが変わりました。
当ブログの昨年5月の記事【自転車の交通ルールと「車道外側線」】の内容を改める意味も含め、最新の自転車のルールについてまとめてみます。
少々長くなりますが、ご容赦のほどお願い致します。 m(__)m
★自転車は「軽車両」であり、原則として車道を走ります。
★自転車の右側通行は禁止されています。
★例外として、次のような場合は、自転車は歩道を通行できます。
(1)道路標識や道路標示で指定された場合
(2)運転者が13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、 身体の不自由な方の場合
(3)車道や交通の状況からみてもやむを得ない場合
ただし自転車道が設けられている道路では、やむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければなりません。
(注意して見てみると、歩道はかなりの割合で「自転車通行可の標識」が出されています。例えば交差点で横断歩道に隣り合って「自転車横断帯」がある場合は、その前後の歩道は基本的に自転車通行可になっています。)
★歩道は歩行者優先です。
自転車が歩道を通行するときは、車道寄りの部分を徐行しなければなりません。
なお、自転車が歩道を走行する際の方向については定めがありません。
どちらの方向に走行しても大丈夫です。
そして、ここからが注目ポイントです。
歩道が無い道路で、車道の脇に引かれた実線より外側を「路側帯」と言います。
自動車は、原則として路側帯を通行することができません。
では路側帯は、自転車は通行しても良いのでしょうか?
★自転車は路側帯も通行できます。
ただし、道路の左側しか通行できません。
※これが今回の道路交通法の改正部分です。以前は双方向に通行できましたが、車道と同様の扱いになりました。
※路側帯を示す線が2重の実線の場合は、「歩行者専用路側帯」なので自転車は通行できません。(といってもほとんど見かけたことはありませんが。)
さらに、この路側帯と紛らわしいのが、「車道外側線」です。
歩道が無い道路に引かれた実線より外側は「路側帯」ですが、
歩道がある道路に引かれた実線は、「車道外側線」になります。
見た目は同じ白の実線ですが、意味合いが異なります。
ちなみにこの車道外側線は、「車両が通行するときに、端に寄りすぎると危ないからこの線の右側を通ってくださいね」というような目安です。
では自転車はどのような扱いになるのでしょうか?
「車道外側線と歩道の間」は、車道と同様の扱いとなります。つまり
★自転車はここを通行できますが、道路の左側しか通行できません。
以前は路側帯と車道外側線の扱いが異なって紛らわしかったのですが、ともに左側通行と統一され分かりやすくなりました。
「自転車はキープレフト」という言い方で表せるようになりました。
(ただし歩道を走る場合は、「キープ車道寄り」ということになるでしょうか)
・・・以上、自転車の最新の交通ルールのまとめでした。
今回の法律改正の理由は、自転車(および自動車)の安全性の向上です。
★自動車と自転車が逆方向に走る(すれ違う)ことは、非常に危険です。
自動車と自転車の相対速度は、順方向の場合は引き算(「自動車の速度」マイナス「自転車の速度」)ですが、逆方向の場合は足し算になります。
例えば自動車が45km/h・自転車が15km/hだとすると、相対速度は順方向の場合30km/h・逆方向の場合は60km/hと2倍にもなります。
事故にあう危険性は相対速度に伴って増加します。
そして事故にあった時の運動エネルギーは、相対速度の2乗に比例します。
(先程の例だと、逆方向だと運動エネルギーは4倍!にもなります。)
★車道や路側帯の逆走(右側通行)は、交差点での危険も増します。
建物等が近くなるので、自転車が自動車からの死角になりやすいためです。
逆に、自動車が自転車からの死角になりやすい、ということも言えます。
実際の事故発生件数から見ても、「車道の逆走」はケタ違いに危険なようです。
路側帯の右側通行についての数値はありませんが、同様に危険だと思われます。
「歩道(建物寄り)の右側通行」も、2番目に危険ですが、
(車道寄り)の場合は危険がその20分の1以下になっているのも注目です。
ルールの変更に伴い、こんなCMも制作されたようです。
「自転車は車道でも路側帯でもキープレフト」
さらに「自転車は歩道ではキープ車道寄り」
というルールがもっと浸透することを願っています。
以上、長々と失礼いたしました。
お読み頂き誠にありがとうございました。 G.Sekido