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 先日のSUPER GTの開幕戦で、BMW Z4が1-2フィニッシュを果たしました!

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新聞には、それを報じる全面広告が出されました! (しかも日経新聞です)


・・・でもSUPER GTって何?

盛り上がってるみたいだけど、どういうカテゴリーなの?

という方も多いかと思います。(かつて私もその一人でした)


なので、SUPER GTの概要と裏話?について書こうと思います。


 

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レーシングカーの国際的な規格は、大きく3つのカテゴリーに分けられています。

オープンホイール・単座席のフォーミュラカー
フェンダー付き・2座席(例外もあります)のプロトタイプレーシングカー
市販車をベースとしたツーリングカーです。
 

フォーミュラカーとプロトタイプレーシングカーは、共にベース車両を持たないレース専用車ですが、前者は加減速・旋回性能が求められるF1等のスプリントレース向きに軽量化が重視され、後者は最高速や高速安定性が問われるル・マン等の耐久レース向きに空気抵抗削減が重視されています。共にリアエンジン・後輪駆動が基本です。


ツーリングカーは、市販車をベースとするということのみが共通点で、駆動方式やドアの枚数やレースのジャンルも多種多様です。

WTCCDTM等の各国のツーリングカー選手権が代表的で、日本では「箱車」(はこしゃ)とも呼ばれたりします。

広義ではラリーやジムカーナ等もこれに含まれ、スプリントレースやタイムトライアルから耐久レースまであります。

市販車ベースといっても競技によってはレース専用車に近い場合もありますが、少なくとも外観や名称は市販車に準じています。




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【SUPER GTは、そんなツーリングカーのレースです。

日本国内で開催されている自動車レースのシリーズの中で、最も人気があるカテゴリーです。

2004年までは全日本GT選手権 (JGTC) として開催されていましたが、海外での複数開催も視野に入れてJAFの管轄下を離れ、2006年からこの名称になりました。

レースはGT500とGT300という異なるレギュレーションのマシンが混走し、それぞれのクラスで順位を競うという、他国でも類を見ない珍しい方式をとっています。

JGTC時代はベース車両のスペック(エンジン排気量など)によって500馬力クラスのGT500と300馬力クラスのGT300と分けていましたが、現在は馬力の違いというよりは車両全体に関する規格が異なっており、参戦車両およびチームの性質が大別されています。




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GT500クラスは、トヨタ・日産・ホンダが巨費を投じて製作したワークスマシンが主体です。

今年から車両規則をDTMと統一し将来的な交流戦も視野に入れていますが、エンジンはDTMが4L V8・NAなのに対しSUPER GTは2L 直4・ターボと異なります。
(F1の例もあるようにモータースポーツ界においてもダウンサイジングターボ化は時代の流れで、近い将来に後者に統一される動きのようです。)

ツーリングカーという扱いではあるものの市販車との違いは大きく、実態としては前述のプロトタイプレーシングカーまたは往年のシルエットフォーミュラに近いのが特徴です。

そんな成り立ちからか、今のところ参戦車両は国産メーカーのマシンに限られています。




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GT300クラスは、世界共通の規格であるFIA-GT(そのうちのGT3クラスと、日本独自の規格であるJAF-GTに準じた車が参戦可能です。


FIA-GT(GT3クラス)は数多くの欧米のメーカーが3000~4000万円程度で参戦車両を販売しており、比較的低予算で参戦できるカテゴリーとなっています。

気筒数・排気量もボディサイズも重量も多種多様ですが、毎年FIA等によりBoP(Balance of Performance)という性能調整項目が定められ、車種別のリストリクター等により均衡化が図られています。

ちなみにZ4 GT3は、E92型M3に搭載されているS65をチューンナップした4.4L V8エンジンを搭載しています。


JAF-GT規格では、ハイブリッドカー(プリウス、CR-Z)やBRZなどのSUPER GT専用車が参戦しています。

FIA-GTに比べてボディの改造範囲が広く、よりダウンフォースを得やすいためコーナリング性能等の優位点があります。

反面、増加した空気抵抗の影響やFIA-GTに比べ小さいリストリクターを義務付けられていることもあり、ストレートスピードでFIA-GTに劣る場面が多いようです。


このように、参戦車種の種類が多く、入念に性能の均衡化が図られているのがGT300の特徴です。


尚、混走していても区別が付きやすいように、
GT500は「ゼッケンの白地に黒字、ヘッドランプは白色または青色」、
GT300は「ゼッケンは黄地に黒字、ヘッドランプは黄色」と色分けされています。
(TV放送のテロップの色もそれに準じています。)


リアウイングが小ぶりに見えるのがGT500、
ボディ幅ギリギリまで広がっているのがGT300というのも、見分けるポイントかもしれません。




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決勝レースはローリングスタート方式で、まずGT500クラスそれから遅れてGT300クラスがスタートします。

スピードの違う2クラスが混走することで、サーキットの至るところでオーバーテイクが行われるのもSUPER GTの魅力の一つです。

ドライバー交代・給油・タイヤ交換、ライバルのリタイヤ、めまぐるしく変わる天候等により順位は変動し、GT300クラスの開幕戦のチェッカーフラッグを受けたのは・・・。




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予選2番グリッドからスタートした No.4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也組)でした!

そして2位には予選4番グリッドからスタートした No.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)が入り、参戦初戦ながら表彰台に上りました。

最終盤のヨルグ・ミューラー選手による追い上げは著しく、「あと2周あったら危なかった」と谷口選手が洩らす程の接戦でした。




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実は1-2フィニッシュを決めたBMWの2チームは、浅からぬ縁がありまして..。

昨年までは、「グッドスマイルレーシングTEAM UKYO」陣営とStudie(BMW専門カスタムカーショップ)は、GSR & Studie with TeamUKYOという一つのチームとして参戦していました。

世界初?の"痛車"レーシングカー初音ミク Z4を駆って、2011年にはシリーズチャンピオンにもなっています。
キャラクターとタイアップし、ファンからチーム運営費を募る「個人スポンサー制度」を導入するなど、運営方法も画期的でした。


・・・それが何らかの事情により袂を分かつことになったようで・・・。




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今シーズンから、Team Studie は BMW Sports Trophy (BMW Motorsport) という本国モータースポーツ部門やBMW Japanと共に、「ワークス格」ともいえるチームとしてスタートを切りました。

そして早くも初戦で、かつての仲間のチームと共に1-2フィニッシュを飾りました!
準備期間もノウハウの蓄積も乏しい状況で、快挙だと思います。

個人的には、カラーリングが楽しい「グッドスマイル 初音ミク Z4」にも、
スタイリッシュな「Studie BMW Z4」にも、どちらにも活躍してほしいです。

さらに今シーズンはLM corsaもZ4で参戦していますので、BMW勢は3チーム3台体制となっています。

ウエイトハンデ制などの効果もあり、チャンピオンシップの行方はシーズン終盤まで決まらないと予想しますが、Z4 GT3のポテンシャルは確かだと思いますので..。

今シーズンのBMW勢の大活躍を期待します! (^▽^) G.Sekido



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現在、日本の中古車情報(サイトおよび雑誌)の大手には、2つの系列があります。

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プロトコーポレーション 系と、リクルート 系です。




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プロトコーポレーションは、「Goo-net」等のサイトと、「クルマ情報誌Goo」等を運営しています。




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ちなみに、プロトコーポレーションは名古屋市に本社を置く当地方発祥の企業です。

自己資本比率は80%・売上高営業利益率は約20%と極めて高く、企業安定性および収益性に優れた会社でもあります。

中古車情報誌の元祖とも言える「月間中古車通信」を1977年に名古屋で創刊し、販売地域を次第に全国に広げました。




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歴代のTVCMには、上戸彩 ~ 佐々木希 ~ 板野友美 ~ 山本美月 等、女性タレントが登場することが多いのも特徴ですね。




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弊社も以前から、情報誌(GooWORLD東海版)・サイト(Goo-netおよびGooWORLD)共に在庫情報を掲載しております。

MINI一宮も同様に利用・掲載しています。




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一方、リクルートは 「カーセンサー,net」等のサイトと、「情報誌 カーセンサー」等を運営しています。




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リクルートは、「広告を主体にした、出版およびインターネットにおける情報サービス、人材紹介、教育など多方面に事業を手掛ける」言わずと知れた大企業です。

従業員数は、プロトコーポレーションの5倍以上にもなります。

(現在は非上場企業のため業績や企業概要は公開されていませんが、今年中の再上場が噂されています。)




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TVCMは、最近は安心感をPRするものが多いですね。(以前はタレントを使っていたことも有ります)




リクルートは、「カーセンサー」誌を1984年に首都圏で販売したのを皮切りに中古車情報ビジネスに参入しました。

始めは「Goo」誌の非販売地域を中心に展開されましたが、後に全国各地でバッティングするようになりました。




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まさに国盗り合戦というか、全面戦争の様相です。

両社は情報誌の販売部数はもちろん、掲載物件数・サイトのビュー数等を争ってきました。
そして主戦場は情報誌からインターネットへと推移しました。

全国規模で見ると当初はリクルートが優位に立っていたものの、ウェブサイトの開設や携帯電話向けサイトへの対応に先んじたこともあり、2006年頃からプロトコーポレーションが逆転したとのことです。

カタログ情報(新車のスペック)を掲載し出したのもGoo-netの方が早かったような記憶があります。




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2011年時点での論文では、情報誌シェアと掲載台数で、20%程プロトコーポレーション系が上回っているようです。

(ウェブサイトのページビュー数が2倍以上の差になっているのはサイト構造の違い等に起因し、実際の利用者数はこれほどの差は無いと思います)




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2011年の投資家向け資料でも、プロトコーポレーション系の優位が説明されています。


(個人的には、情報メディアビジネス界の巨人であるリクルートを相手に、中部地方に本拠を置く会社が互角以上の戦いをするというのは、痛快な感じがします。)



ですが、今日現在では・・・。


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Goo-net の掲載台数326,960台に対し、カーセンサー.net の掲載台数は329,185台と、ほとんど変わりません。

その差は1%も無い程の、大接戦です。


さすがは大企業リクルート、大きく巻き返したようです!!



と、いうことで・・・。

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カーセンサー、始めました。

(Gooも引き続き利用し、基本的に両サイト・両誌に同じ車両を掲載致します。)


両社のサイトは検索方法やお気に入りの登録などが違い、特色を持っていますので、ぜひお好みのサイトでご覧・ご利用願います。




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諸般の事情からサイトに掲載できない車両も合わせ、現在35台程の在庫がございます。

ぜひBPS一宮にお越しの上、ご確認願います。

お電話・メール等でのお問い合わせ、リクエストもお待ちしております。

よろしくお願い致します。 G.Sekido



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弊社のグループ会社の自動車教習所コースの桜も満開になりました。

この踏切は教習用なので「開かずの踏切」ならぬ「閉じずの踏切」ですが、毎年この時期は何だか誇らしげに見えるような気がします。


毎年そんな春になると、世界各地のBMWグループから、興味深い発表や広告が出されます。


まずはBMW UK(イギリス)からの発表です。



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ゆっくり走る時には、駆け抜ける歓びを味わえませんでした。今までは。

BMWの最新の革新である「フォース・インジェクション・ブースター」により、スクールロードでさえアウトバーンの興奮を味わうことができます。

時速32km以下での運転時、フォース・インジェクション・ブースターはエンジンから運動エネルギーを取り出し、Gフォースに変えます。
運転席と助手席にはエアコンの強風によって、後席では穏やかな電気ショックによって、高速でドライブする興奮を味わうことができます。

この技術は、BMWエアネット、すなわち最新の髪型保護技術と共に用いることで完成します。
それにより、ドライバーはヘアスタイルと駆け抜ける歓びを妥協することなく両立できますので、ぜひこちらも併せてご利用ください。

(BMW UKは、過去のこの時期の広告を集め、facebookでも公開しています。)



BMWニュージーランドからは、BMW ZZZシリーズが発表になりました。


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BMW ニュージーランドは、カーボンファイバーなどの最先端の素材を用いて製作された赤ちゃん用のベッド「BMW ZZZ Series:」を動画で紹介している。

The Ultimate Driving Machine 究極のドライビングマシーン:BMWのキャッチフレーズ)ならぬ The Ultimate Sleeping Machine(究極の睡眠マシーン)です。

BMWのエンジン音は、子守唄がわりといったところでしょうか。




BMW M からは、こんなお詫びが出されました。


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「猛獣脱走についてお詫び」

この度の脱走事件につきまして、
BMWではこの事態を重く受けとめ、管理体制の強化を前向きに検討いたします。


こんな猛獣なら、なんとしても手なずけてみたいです。




MINI UKからは、こんな新型車の発表がありました。


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路面を食らい、紅茶を飲む。

MINI UKによると、このMINIは『クーパー T』と命名。<車名の「T」はティー(TEA)の意味。>
英国は紅茶の国として知られるが、クーパー Tは世界で初めて、紅茶の茶葉を使ったバイオ燃料で走行できる。


紅茶の茶葉入りのバイオ燃料では、紅茶1杯分で最大64kmを走行可能。ボディカラーは紅茶にちなんで、カモミールイエロー、アールグレイなどを設定。

また、「DAT(Dunk AvoidanceTechnology)」と呼ばれる安全装置も採用。これは、紅茶にビスケットを浸して食べるのが好きな人が、クーパーTの燃料タンクにビスケットを入れるのを防止するシステム。




そして、MINI JAPANからも画期的な新型車が発表になりました。
 

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新型MINIからクラシックMiniへ、スイッチひとつで変形する車です!

動画も公開されていて、手の込んだ作品です。
 



・・・以上、今年のエイプリルフールのジョーク広告でした♪

過去の作品も当ブログのカテゴリー【広告・宣伝】でご紹介していますので、宜しければご覧下さい。


現実の新型車も楽しみですが、来年のエイプリルフールの新型車も楽しみですね! G.Sekido




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前回のブログの続きです。

その概要を書きますと・・。


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運転席正面の表示部を1丁目、その左を2丁目、それより下を3丁目とします。

ナビ画面は2丁目に配すると運転中でも視線移動が少なく安全ですが、遠いため手が届きにくいです。

そこで手元にコントローラを設けると安定して操作できます。

近年のBMW・ベ○ツ・ア○ディはこの方式を取っています。




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一方、多くのメーカーは操作方法にタッチパネル式を用いています。
タッチパネルはコスト面等でメリットがあるものの、画面を手が届く範囲に置く必要があります。

3丁目に配すると手が届きやすいですが、視線の移動量が大きくなります。
2丁目に配すると、デザイン性や操作性(手の届きやすさ)を妥協する必要があります。

そもそもタッチパネル操作それ自体が、視覚に対する依存度が高く、操作時の腕も安定せず、運転中の操作方法として最適とは言えません。


以上の理由から、BMW等が採用する「ナビ2丁目配置、手元コントローラ操作型」が(現時点での)最善方式だと思います、という内容でした。


今回はそれ以外の方式と、それを通じて見えてくるものや、今後の動向について書こうと思います。



上記以外の方式で、代表的なものとしましては・・。


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「1丁目空き地型」

いわゆる「センターメーター」タイプです。
速度計等の重要な情報を2丁目に表示し、1丁目は空き地になっています。(そこを小物入れとしている車もあります)
結果としてナビ画面は3丁目付近に配することになります。

日本だとト○タやダ○ハツ、海外だとシ○ロエンやフ○アットに多い印象があります。
日本での販売台数ランキング上位のいくつかがこの方式なので、メジャーな方式の一つとも言えます。


個人的には、「運転中の視認性に優れる1丁目を有効活用できない」という点で、合理性を欠く方式だと思います。

右ハンドル車と左ハンドル車との造り分けを合理化するために採用したのが始まり」との記述もありますが・・。

現代の車の内装は複雑かつ左右非対称で、そもそも「センターメーター」と言ってもメーターが車体の中央にある車は少なく、多くは運転席寄りになっています。
そのため左右ハンドル車で共用化できる部分は少なく、合理化やコスト削減にはあまりつながっていないと思います。

むしろ、この方式を採る理由の一つは別のところにあるように思いますが、それについては後述いたします。




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「1丁目はみだし型」

1丁目がステアリングの内部に収まらず、その上方にはみ出しているタイプです。
表示が上下に分断されている車(ホ○ダ)、全てが上方にある車(ニッ○ン、プ○ョー)等があります。

情報の視認性に優れるようにも思えますが、個人的には疑問を感じる方式です。

これらの車は「車両前方の見切りが悪い」というウイークポイントを共有していると思います。

フロントガラスの付け根の位置が高く、伸びあがってもボンネットはほとんど見えず、車両前端の位置を想像することが困難です。




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近年は、空気力学を追求する意味もあってか、ワンモーションフォルム(ボンネットとフロントガラスが直線的につながる)を採る車が増えています。

また、歩行者の衝突安全性を高めるためにボンネットを高くする(内部の空洞を大きくする)必要があり、フロントガラスの付け根の位置が高い車も多くなったと思います。


運転環境の確保のためには、本来であればその高さに併せて着座位置を高く想定し室内空間を構築するべきだと思うのですが・・・

 

天井の高さが相対的に低いとか、プラットフォームを既存モデルから流用しているためステアリングコラム高さ等の基本構造を変えにくい等の背景があり、想定する着座位置を高くできないのではないでしょうか。


そして、着座位置に対してダッシュボード全体が高い → フロントガラスの付け根の位置が不自然に高い感じや、内装デザインの間延び感を低減したい → ステアリングの上側にメーターを配した、という成り立ちのように思えます。
(上の画像で、もしこの位置にメーターが無かったらと想像すると、かなり茫洋とした視界になります)

前述した「1丁目空き地型」(近年のセンターメーター車)の多くも、車両前方の見切りが悪いと感じます。
フロントガラス付け根の位置が高いという同様の背景があり、その結果あのようなレイアウトを採ったのではと思います。



ちなみに、フロントガラスの付け根の位置やダッシュボード全体が運転席に対して相対的に高いことは、車両前方の見切りが悪くなることに加え、Aピラーが寝ることによる死角の増加、車幅感覚を把握しにくくなるというデメリットもあるように思います。

「1丁目空き地型 」や「1丁目はみだし型」も、理想的な情報視認・操作環境を追求した結果というよりは、メリット・デメリットを天秤にかけた上の妥協の選択である、というのは言い過ぎでしょうか。




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先日本国にて発表になったBMW 2シリーズ アクティブツアラーや日本でも発表になった新型MINIでは、透過式の小型スクリーンに投影するタイプのヘッドアップディスプレイが採用になりました。

以前から、フロントガラスに投影するタイプはいくつかのメーカーが商品化していましたが、生産コストや機構を埋め込むスペースの関係からか、採用事例は中級車~高級車がほどんどでした。

今回このクラスまで採用に踏み切ったのは、スクリーン投影式とすることで低コスト化・省スペース化が実現できたということだと思われます。

表示部はダッシュボードより上部のガラスエリアにあるので、
この方式を「0丁目表示」と名付けたいと思います。(^^;ゞ

「0丁目表示」と「1丁目はみ出し型」では、ステアリングの上側に情報を表示するという意味では似ていますが、構造や機能性に加え、その成り立ち(積極的な開発 vs 消去法的選択?)も大きく異なると思います。
 


と、いうことで・・・


BMW等が採用する
「ナビ2丁目配置、手元コントローラ操作型」(プラス「0丁目表示」)は、
パッケージング(車両の構造)に始まり動的な使用環境まで考慮し、
「自動車の理想的な情報視認・操作環境」に真摯に向き合った結果生み出されたものだと思います。
 

 


そして、今後の発展としては・・・

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先日Apple社から、CarPlay が発表になりました。
iPhoneと車両を接続し、車両側の画面や操作系でiPhoneの機能を利用する、というものです。

今年中にいくつかのメーカーからこのCarPlayを搭載した車が登場する予定です。
BMWも「提携パートナー」という扱いになっており、搭載車種のデビューが予定されているようです。


CarPlayの操作は、音声・タッチパネル・手元コントローラーに対応するとの記載があり、早くもデモ動画も公開されています。

近々発売される予定で、タッチパネルと手元コントローラーの両方を装備すると発表されている新型車もあります。


そしてiPhoneに限らず、他のスマートフォンでも同様の機能が開発され、導入が進むと思われます。


今後BMWはどのように対応し、変化していくのでしょうか・・?



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独立型のディスプレイをもう少しドライバー側に近付けることで、タッチパネル&手元コントローラ併用式とするのでしょうか?

あくまでも手元コントローラのみに絞るのでしょうか?

それとも、他の手法を創りだすのでしょうか?



BMWの選択は、時に独創的だったり、時に保守的だったりしますが、消去法では無く「まず理想ありき」で選ばれます。

その選択を楽しみに待ちたいと思います。  


前回・今回とマニアックな内容で、かつ長くなり恐縮に存じます。

お読み頂き誠にありがとうございました。 m(^^)m  G.Sekido




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近年、自動車の走行中に得られる情報や操作する項目は、多様化しています。
 

従来からの速度計・燃料計・各種警告等に加え、エンジンや足回り等の車両設定を確認・変更できる車が増えています。

各種音楽メディア(CD・iPod・USB等)や映像メディア(地デジ・DVD)も視聴できる車も珍しくありません。

カーナビゲーションから得られる情報も増加し、インターネット接続による検索や各種情報表示も進化しています 。


運転中に安全に各種の情報を得たり操作するには、効率的な情報表示や操作方法が不可欠です。

そこで、「自動車の理想的な情報視認・操作環境」について書いてみます。

(個人的な考察ですので、偏った内容もあろうかと思いますが、何卒ご容赦願います)




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運転席での主な情報表示・操作エリアを大きく3カ所に分けてみます。

それを1丁目・2丁目・3丁目と名付けました。(^^;ゞ

1丁目は運転席正面です。
2丁目は、1丁目の左側です。
3丁目は、2丁目の下です。

2丁目と3丁目の境界は、1丁目の下端あたりの高さとします。




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BMWに限らず、一般的に・・・

1丁目は、運転中でも視線の移動が少なく見られます。
そのためほとんどの車では、スピードメーターや燃料計や各種警告など、優先順位が高い情報がここに表示されます。

2丁目は、1丁目に次いで運転中でも見やすい位置です。
そしてデザイン上の理由から、運転席から遠く少し奥まった位置にあることが多いです。
(ここが手前に近いと圧迫感があり、広々感が失われがちです。)
運転中に手が届きにくく、頻繁な操作には適しません。

3丁目は、デザイン上の制約が少ないこともあり、運転中に手が届きやすいように運転席方向や車両後方に突出させてある事が多いです。



そして近年のBMWでは、
2丁目は、ナビゲーションのディスプレイが配されます。
3丁目は、オーディオやエアコン等の使用頻度が高いスイッチが配されます。

さらに、手が届かない2丁目のナビゲーション等を操作するために、iDriveのコントローラを手元に配しています。
そのコントローラは目視確認が必要無いように、形状・操作が考慮されています。

この方式を「ナビ2丁目配置、手元コントローラ操作型」と名付けます。




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画像は先々代の3シリーズ(E46型)です。
(画像は左右反転等の加工をしてあります。以降の画像も同様です。)

iDriveが導入される前のBMWでは、2丁目はエアコン吹出口とし、3丁目をナビゲーション/オーディオとしていました。
(そのナビはタッチパネルではなく、周囲のスイッチで操作するようになっていました。)

いわば「ナビ3丁目配置、スイッチ操作型」です。


3丁目は操作するのには適しているものの、運転中の視線の移動が大きいのが難点です。
また、運転席から近いということは眼の焦点も近くなるということでもあり、焦点距離の増減も大きくなります。
「運転中に視認し操作する」ベストポジションとは言えません。

そこでBMWは業界に先駆けてiDriveというコントローラを着想・導入し、現在の方式へ移行したという経緯をたどっています。



 

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近年はベ○ツやア○ディも、BMW同様に
「ナビ2丁目配置、手元コントローラ操作型」を採用しています。

「回転&水平移動する円柱」を軸としたコントローラも、BMWのそれとよく似ています。

ドイツの高級車御三家は、ほぼ同一の表示・操作方式を採用していると言えます。
国産メーカーにもこの方式を採用した例が出てきています。


ディスプレイ部をダッシュボードに埋め込まず、あえて孤立させるデザインになってきたのも共通しています。
(視界の最大限の確保・視線移動の最小化・センターコンソールの圧迫感の低減等が目的ではないでしょうか。)




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最近のフォルクス○ーゲンとポ○シェは、このようになっています。
「ナビ3丁目配置、タッチパネル操作型」です。

ゴ○フと9○1という、歴史も知名度もある両車が採用したことにも表れているように、比較的ポピュラーな方式です。
日本車の多くもこの方式を採っています。


タッチパネル式は、iDrive等の手元コントローラ式に比べると、慣れを必要とせず直感的に操作できる、ワンアクションで「選択と決定」を行える等のメリットがあります。

「手元コントローラとそれに対応したソフトウェア等を独自開発する必要が無い」、すなわち「汎用のナビゲーションシステムを流用できるため、輸出先毎の対応や後付が容易である」ということも、自動車メーカーにとってはメリットかもしれません。

ですが、操作する指先の位置調整は視覚に頼ります。
視覚に対する依存度が高く、操作に意識の集中を強いられるのがデメリットです。
歩きスマホが歩きガラケーより危険とされる事にも、同様の理由が潜在していると思います。)

上下左右に揺れる車内で、腕や手を固定せず浮かせた不安定な状態で操作する場合は、さらに集中を必要とします。
(手元コントローラ式は、慣れてしまえば操作行為には視覚を必要とせず、腕をアームレストで固定できるため集中しなくても確実に操作できます)


そしてナビ3丁目配置は、前述しましたように視線の移動量が大きいというデメリットがあります。
(平均速度の高いドイツのアウトバーン等では、特にデメリットが大きい気もします。)


「ナビ3丁目配置、タッチパネル操作型」は、
「操作方式にタッチパネルを選択した」→「ナビを3丁目に配置せざるを得なかった」という消去法的選択であるようにも思えます。

理想的な情報視認・操作環境を追求した結果というよりは、メリット・デメリットを天秤にかけた上の妥協の選択である、というのは言い過ぎでしょうか。



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ちなみに、少数ながら「ナビ2丁目配置、タッチパネル操作型」という車もあります。

操作性を確保するためナビ部分を突出させる必要があり、ナビ周りの存在感が際立っているデザインは好みが分かれるでしょうか。

操作性を重視してナビを手前に近付ける→ダッシュボードに沿って位置が下がってしまう→3丁目に近い位置になり視線移動量が大きくなる(画像左:カ○エン)

ナビの視線を高くしようと中央が高いダッシュボードを構築する→圧迫感があるのであまり手前に近付けられない→手が届きにくい(画像中央:ク○ウン)、というジレンマもありそうです。

(ただし画像右の軽自動車の様に、車両サイズが小さいため2丁目が座席に近く、かつ直立気味に座る車では、この方式ゆえのデメリットが少ないように思えます。)

採用事例が少ないことにも、この方式が最善解ではないことが表れているように思います。



他にも書きたいことはいくつかあるのですが、長くなってきましたので・・・。

 

 newest_interior-thumb-471x353-35962.jpg

以上の理由から、BMWを始めとするいくつかのメーカーが採用している
「ナビ2丁目配置、手元コントローラ操作型」が、視認性と操作性を高い次元で両立する(現時点での)最善方式だと、個人的に思っています。


iDriveはタッチパネルと比べるととっつきが悪い、難しい と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが..。

iDriveはBMWが追求した理想を体現しています。

(よく使う機能を「プログラマブル・ボタン」に設定すると、より便利にお使い頂けます。)

ぜひ存分にご活用ください。


今回ご紹介した以外の方式(1丁目空き地型、1丁目はみ出し型など)の解説や、新しい技術(ヘッドアップディスプレイの進化やiPhoneとの連携など)について、今回の続編として【iDriveに込められた理想 その2】を次回掲載致します。

このようなマニアックなネタが望まれているか少々不安ではありますが・・・
楽しみに?お待ちください。m(^^)m  G.Sekido




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