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ドイツ・ミュンヘンで開催中の IAAモビリティ2021 において、燃料電池車(FCV) iX5ハイドロジェン が初公開されました。

水素を燃料とする燃料電池システムをトヨタ自動車と共同開発し、2022年から小規模で量産する予定です。

(ちなみにIAAモビリティ2021は、従来のフランクフルトモーターショーの開催地をBMWのお膝元ミュンヘンに移してリニューアルしたものです)




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BMW iX5ハイドロジェンには、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で700バールの水素タンク2つが搭載されており、最大で6kgの圧縮水素を積めます。




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水素の充填にかかる時間は3分から4分
で、あらゆる天候下で数100kmの航続距離を確保することが可能です。



 
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水素と空気中の酸素を使う「燃料電池」によって電気を起こし、最大125 kW / 170 hpの電気出力を提供し続けることができます。

さらにBMW eDrive テクノロジーによって空走時やブレーキ時にパワーバッテリーに電力を蓄えることで、275 kW / 374 hpのシステム出力を提供しスポーティな運転にも利用されます。

走行中にドライブトレインから発生するものは、水蒸気のみです。



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二酸化炭素低減を目的として、各メーカーが電気自動車の普及に取り組んでいます。

ですが、電池と燃料では「エネルギー密度」が大きく異なり、同じ重さから発生できるエネルギー量の違いは約100倍にもなります。

燃料電池車に充填する圧縮水素は、重量当たりのエネルギー密度はガソリンや軽油と同等であり、リチウムイオン電池を始めとするバッテリーとは比べ物にならない程の高い数値を誇ります。




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実際の航続距離としては、色々な効率が絡むので単純に比較することは難しいですが、
30kgのガソリンと同じ航続距離を得られるEVのバッテリーは500kgになる」という記述もあります。

電気自動車の航続距離を伸ばそうとしてバッテリーを大きくすると、非常に重く高価になり、充電にも長い時間がかかります。

需要の急増から、炭酸リチウムやコバルトといった原材料は今年に入ってからだけでもかなり高騰しているようです)


リチウムイオン電池は製造時に非常に多くの電力を必要とすることもあり、電気自動車の製造から廃棄/リサイクルまで含めたCO2削減効果は、製造地や使用環境によって非常に大きなばらつきがある発電方法によってはCO2がかえって増加する)ようです。




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世界中の乗用車/商用車は、移動距離も利用目的も使用環境も多種多様です。

CO2削減が求められる将来に向けては、電気自動車に限定せず、水素燃料電池車などのマルチソリューションの研究も不可欠だと思います。


CO2を増加させずに既存のエンジンを動かすことができる カーボンニュートラル燃料(e-fuel) も、その一つです。




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今年6月のブログでもご紹介しましたが、

BMWのツィプセ社長は、エンジン車の未来についての力強いメッセージ を発しました。


「世界の多くの市場で自動車を販売しています。それゆえ1つの技術(EV)に依存するには早すぎます。

   電動化を進めていくのは間違いありませんが、それはすぐに1つの技術(エンジン)が終わることを意味しません。

   エンジンにも未来はあります。

   顧客がそのタイプの車(エンジン車)を欲しくないというのであれば、生産を止めることになります。」


という概要です。




そして「低炭素化に向けたマルチ・ソリューション」という考え方は、発電方法についても必要だと思います。



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実は、既に日本における太陽光発電は 国土や平地面積当たりの設備容量は群を抜いた世界一 になっており、適した用地が不足しつつあります。

また、日本は地震が多く台風も上陸することから、安定的に偏西風が吹く欧州のような大型で高効率な風力発電設備を設けることが難しいようです。


既存の方式の原子力発電は、大災害時のリスクや放射性廃棄物の最終処分など、解決するべき課題があります。



そこでこのところ再注目されているのが、「地熱発電」です。

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地下に眠る「地熱エネルギー」を利用して電気をつくる地熱発電は、CO2の排出量はほぼゼロ、燃料費もかからず、天候などに左右されない安定性の高いエネルギーです。



 
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世界有数の火山国である日本は世界第3位の地熱資源量を持ちながら、それを利用した発電容量は世界10位に留まっています。

(その資源量は原発20基分にも相当するという説もあります)


初期コストの高さと立地の難しさ(火山地帯の多くは国立公園になっていることや、温泉等への影響の懸念)から開発は限定的でした。

ですが日本は太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーのより一層の普及に関しての課題が多いことからも、今後の地熱発電の増強が期待されています。




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そんな地熱発電を利用し、グリーン水素(再生可能エネルギーを利用して製造した水素)を作る取り組みが始まりました。

グリーン水素+燃料電池車なら、低炭素で効率的な走行が可能になります!




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ちなみに水素は、太陽光や風力などの時間変動が大きい再生可能エネルギーを変換して備蓄する、いわゆる「しわ取り」としても有効です。

BMWの低炭素化に向けたマルチ・ソリューションに取り組む姿勢は、欧州メーカーの中でも群を抜いていると思います。

未来に向けた「駆け抜ける歓び」も楽しみです!   G.Sekido



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