BMW Team Studieが参戦する ブランパンGTワールド チャレンジ・アジア のRound 10&11が、9/27(金)・28(土)に中国の上海インターナショナル・サーキットで開催されました。
前戦の韓国ラウンドで今シーズンのドライバーズタイトルを確定したチームは、驚きの作戦でこの最終ラウンドに挑みます。
この2年間、鉄壁のコンビを組んで81号車で戦った木下隆之選手・砂子塾長選手が、81号車と82号車に別々に乗って戦うことにしたのです!!
(今シーズンは、82号車は富士ラウンド以外は出走せず、81号車の1台体制で戦ってきました)
※ ブランパンGTでは、通常1台のマシンを2人のドライバーがレース中に交代して戦いますが、ピットタイムを7秒延長すれば1人のドライバーで走り切ることもできます。
韓国ラウンドの後には、ブランパンGTのオフィシャルサイトでも「木下・砂子両ドライバーがドライバーズタイトルを確定した」と発表がありました。
ですが、中国ラウンドを両ドライバーが2台に分かれて戦えば、レース結果によってはどちらか1人がタイトルを失う可能性もあります。
チームランキングは全戦2台体制をとるライバルチームに大きく離されていますが、残りの2レースに2台で参戦して最高の結果を得られれば、大逆転でのチームタイトル獲得の可能性も残されています。
それに加えて、「最終ラウンドを消化試合にしたくない」などの理由から、この大胆な作戦を決定したようです。
そして2人の話し合いにより、81号車は木下選手、82号車は砂子選手が乗ることになりました。
鉄壁のコンビが雌雄を決するという、過激にエンターテイメントな最終ラウンドが始まりました!
【 予選 】
非常に厳しいBoP(性能調整:85kgものウエイトハンデと、市販車より低いブースト圧)により、セットアップに苦しみます。
更に81号車は、今までの激戦がより多く車体に刻まれているからか、速さに伸びがありません。
Q1(Rd.11の予選)は木下選手は6番手・砂子選手は2番手と明暗を分け、
Q2(Rd.12の予選)は木下選手は3番手・砂子選手はポールポジション!
という結果となりました。
【 Round 11 決勝 】
6番手から最高のスタートを決めた木下選手は、一気にトップに立ちます!
その直後に起きたGT3車両のクラッシュの影響で、砂子選手が2番手、木下選手が3番手となります。
ピットインの際には、プラス7秒のエキストラペナルティも加えた疑似ドライバー交代を経ながらも追い上げを図ります。
ですが、タイヤのグリップダウンにも苦しみ、トップを脅かすまでは至りません。
そして砂子選手の82号車が2位・木下選手の 81号車が3位のダブル表彰台でレースを終えました。
果敢に挑んだチームタイトルは取り逃がしましたが...。
サーフィンの師匠の誕生日を祝う旗を持って表彰台に上がるなど、いつものユーモア精神を忘れません!
残すは翌日の1レースのみ、ドライバーズタイトルを決する戦いです!
【 Round 12 決勝 】
81号車の木下選手はまたも完璧なスタートを決め、3番手からトップへとポジションを上げます!
その半周後には82号車の砂子選手がトップを奪い返し、まさに「頂上決戦」です!
その後、AMGにオーバーテイクを許し、砂子選手が2位・木下選手が3位でピットインの時間を迎えます。
砂子選手はピットアウト後じりじりと追い上げ、20周目にトップに立ちます!
一方、木下選手はタイヤのグリップダウンに苦しみ、後車に接触されてスピンを喫し5番手までポジションを落としてしまいます。
厳しいBoPを跳ね除けて砂子選手の82号車が優勝し、有終の美を飾りました!
木下選手の81号車は、ファイナルラップで前車を抜き4番手になり一矢報います。
この結果により、今シーズンのドライバーズ・ランキングは
1位:砂子 "塾長" 智彦 選手、2位:木下 "アニキ" 隆之 選手に決定しました!
3位以下に大差をつける、ぶっちぎりの1-2フィニッシュです!!
「アニキのいない表彰台 寂し過ぎた
悲しい優勝ははじめて 優勝なのに涙が出そうになった」
と、表彰台での砂子選手は複雑な表情を見せます。
個人的な思いですが...。
双子は生まれた時間の僅かな差で兄弟が定まりますが、世間的には同じ生年月日で対等な存在です。
共にドライバーズチャンピオンの権利を獲得しながら、さらに競った二人のドライバーは、そんな「双子の兄弟」のようなチャンピオンだと思います!
諸般の事情から、M4 GT4でブランパンGTに挑むプロジェクトは当初から2シーズンの予定で、本戦をもってチームは解散となるようです。
BOB鈴木チーム代表兼監督も、木下選手も、砂子選手も、ファンに対する感謝の言葉を述べられていますが...。
私も初優勝の瞬間に立ち会うことや、タイトルの行方をレポートすることができて、楽しかったです。
またいつか、日本やアジアでのBMWの活躍をレポートできる日がくることを期待しています! G.Sekido