カーともさんから、燃料電池車のクラリティ FUEL CELL (FCV)を借りませんかとのお誘いがあり、昨日一日レンタルをしてきました。
Honda Every Go でレンタル。 クラリティFCVは700万円代の高級車ですが、9時間のレンタルで6000円強で借りれます。
これに距離加算代として10キロ当たり15円が加算されます。 なかなかリーズナブルですね!
私自身、シェアカーを借りるのは初めてだったのですが、事前会員登録を行い、施錠もICチップ入りの免許証で出来ます。
走り出して直ぐに、運転者からも同乗者からも、イイね~の声が上がります。 停止状態からアクセルを踏んだ時のスタートの感じは、ハイブリッド車の極低速の走りに近い感じです。 EVのような力強さは無いですが、必要十分という感じ。 ガソリン車のようなトルク変動も無く、むしろそれがこのクルマの雰囲気に合っている感じですね。 235/45/18というそこそこ太いタイヤを履いてるのですが、乗り心地もソフトで、路面の凸凹をスムーズにいなしていきます。
内装はこんな感じ。 それほど、未来感が有るわけでは無く、センスも良くていい感じ。 操作性も悪くないと思います。 シートの色もホワイトで室内も明るくていいですね。
横浜を出て、高速に乗り、一路箱根に向かいます。 高速に乗っても印象は変わりません。 ちょっと気になるのはタイヤのロードノイズを感じる事。 標準のタイヤはブリヂストンのECOPIAですが、特に後部席はロードノイズが大きいかなと感じました。 エンジン等の静粛性が高く、燃費を稼ぐために固めのタイヤをチョイスしてるからかもしれません。
メーターは、こんな感じ。 右側に水素の残量が表示されてます。 航続可能距離の表示もあり。 最初は520キロ程度を指してましたが、平地を走ってる限りは急に残距離が減ることもなく、あまり心配しなくてもよさそうな感じです。
あと、最新のクルマですので、ACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(レーンキープアシスト)等も装備してます。 高速でトライをしてみましたが、自動でアクセルをオンしたり、ブレーキを踏んだりする作業もとても自然ですね。 但し、LKASは65-100キロの間でしか作動をしないのと、ウインカーを出さずにレーンチェンジをした場合警告は出ますが、ハンドルが自動的に戻されるということはされないですね。 ブラインドスポットモニターも無いようです。
お昼は小田原のオサレカフェへ。 お寺さんがやっているカフェのようですね。
4人とも、こちらのポークと温野菜の餡かけご飯を頂きました。 なかなか、美味しかったです。
飲み物は、クラリティー(茶)を探しましたが、有りませんでした(そりゃそーだ)
その後、ターンパイクを駆けあがり、大観山を目指します。 山道でも、パワーとしては控え目な感じですが、4人乗車をものともせず、ジェントルにターンパイクの坂道を登っていきます。 ステアリングも重すぎず軽すぎず絶妙な味付け。 シャープすぎず、ダルすぎず、とてもいい感じです。 コーナーに多少のスピードで入り、ブレーキを・・と思ったら、回生ブレーキが掛かり、殆どブレーキを踏む必要が無い感じです。
但し、山道をそこそこのペースで駆け上がると、残り航続距離が数秒ごとに1キロずつ減っていく感じです。 尤も、その後下り道に差し掛かると、反対に航続距離が伸びてちょっと不思議な感じでしたが。
CGの撮影スポットで今一度ゆっくりと外観をチェック。
サイズは、全長4.9m, 全幅1.87mですので、Eセグメントサイズですね。 程々に未来感のある外観。 サイドのラインは要らないのではという声もありました。
リアはこんな感じ。 5ドアに見えますが、独立したトランクです。
リアタイヤは上の部分が少し隠れてます。 この部分はちょっと昔のハイドロシトロエンやガンディーニのクアトロポルテに少し似てますね。
フロントのフェンダーとリアには、FUEL CELLのバッジが誇らしげに。
大観山でも、細部をチェック。 後部席も気持ち座面が短いですが、広さは十分です。
トランクは、水素タンクの為にちょっと狭い感じ。 PHEV版はトランクも広いようですね。
エンジンルームはこんな感じ。 一見、普通のガソリン車とそれほどは変わらない感じです。 勿論ヘッドカバーにはFUEL CELLの文字が。
この後、箱根でスイーツでも・・ と思ってたのですが、一つ問題が・・
レンタルの規定では水素が半分以上減ってる場合は充填して返却しないといけないのですが、箱根御殿場小田原界隈には水素ステーションが無い。。 ナビゲーションで水素ステーションも検索できるのですが、記載されてても営業してないステーションも結構多い。 営業してるステーションもほとんどが9:30-17:00という営業時間の為、横浜まで帰ると渋滞次第では17時までに到着しないかも・・ というわけでスイーツは断念して海老名の水素ステーションまで移動。
水素ステーションでは、丁度MIRAIが給油ならぬ、給水素をしてて、燃料電池車のツーショットになりました。 こうやって見ると、MIRAIのデザインってフロントを除き意外とオーソドックスな感じですね。
水素の充填は、スタンドの方にやってもらうのですが、色々と詳しく教えて頂きました。 このスタンドでは月に200台(累計)程度の燃料電池車が来て、殆どがMIRAI。 クラリティは非常に少ないとの事です。
水素の充填は、満タンの場合は5分程度ですかね。 但しタンクが空の状態では入りやすく、満タンになるにつれて入りづらくなってくるとの事。 あと、充填直後は水素を圧縮する必要があるため、次のクルマへの充填は多少準備に時間が掛かるようです。
水素は、このタンクを約3週間ごとに新しいものに交換するみたいです。 一部のスタンドでは水素を作る装置があるようです。
というわけで、5分程度で水素を1.66kg充填、1kgあたり1,080円との事なので、1,792円。 走行距離は約200キロなので、キロあたり約9円ってところですね。 ガソリンエンジン(レギュラー)に換算すると、凡そリッター15キロ程度のコストでしょうか。
その後、横浜で無事車を返却し、夕食を食べて一日が終わりました。
総括としては、燃料電池車といっても、全然特別な感じは無く、ごく普通に乗ることが出来ます。
皆の共通した感想としては、クルマ全体の完成度が非常に高いという事。 特に低~中速でのスムーズなドライバビリティ、少し荒れた路面のショックのいなし方、とても自然なステアリングフィールとパワー特性 等、そしてこれらの要素がとてもバランスされてる為に、非常にジェントルな印象を受けるクルマでした。
特に乗り心地に関しては、結構うるさいお二人が絶賛されてたのがとても印象的でした。
普通、チョイ乗りでは好印象でも、1日乗ってると色々と気になる点が出てくるものですが、クラリティFCVの場合は最後までイイねという声が多かったのも驚きでした。
問題はやはり水素ステーションの普及でしょうね。 恐らく1回の充填で500キロ以上は走れるはずなので、通常の使い方では十分な感じですが、水素ステーションが少なく、しかも日中だけというのはちょっと障壁になりますね。
あと、200万円程安いPHEV版ではどのように印象が変わるのかも気になる所です。
というわけで、9時間200キロ程度乗って、レンタル料は距離の加算を含め9000円強程度、これに水素代が2000円弱という感じで、なかなかお値打ちかつ、とても貴重な体験をした一日でした。 カーネさん、iceさん、んどん。さんありがとうございました~